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精油と新型コロナウイルスの関係

Posted by Lauren at 16:22 日時 2020/04/29

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新型コロナウイルスが発生して以来、世界中で多くの人々が、心身ともに難局に立ち向かっています。日々の生活や心の状態に大きな影響を受けていることでしょう。IFAは補完的な保健機関として、他者の安全と健康を優先して医療現場の前線で働く人々の心に寄り添い、感謝の気持ちを述べたいと思います。

現在、健康が危機にさらされている状況で、精油は役に立つのか。

精油や精油に含まれる成分は、幅広い用途で使用されています。調剤、薬用化粧品(化粧品と薬剤を融合して生まれる相乗効果を利用したスキンケア製品)、食品保存剤、香味・風味増強剤、伝統的で補完的な薬品、そしてアロマセラピーやスパ業界で用いられます。精油は一般的にも幅広い人気を集めています。香りを楽しんだり、リフレッシュしたりできるという点に加え、健康面のメリットがたくさんあるからです。安全な使用方法の範囲内であれば、自宅で十分安全に使用できると考えられています。

精油の香りを嗅ぐだけで、生理的に身体に良い影響をもたらします。例えば、心拍数や血圧、脳波活動、目の機能を改善する効果があります。実際に、多くの研究で、精油の香りは精神生理学的に良い効果があると示されています。ストレスや情緒不安定な状態を素早く解消できる、ということが証明されているのです。
 

抗菌剤、抗ウイルス剤としての精油の働き

免疫機能は、健康な身体の維持と有害な病原菌からの保護の両方に働く、非常に複雑な機能です。しかし、心身の状態によっては、免疫機能が十分に働かないことがあります。ここで、精油のような自然療法が身体の免疫応答を改善し、身体のバランスをサポートするのです。

精油には数え切れないほどの種類がありますが、すべてが同じように機能するわけではありません。その例として、効果を発揮する範囲や時間が異なります。体全体で効果を感じられるものもあれば、ある特定の部分に集中して感じられるものもあります。また、素早く効くものから、じっくり時間をかけて効くものまで、様々です。この違いは、精油に含まれる成分の種類や、使用量、使用方法によって現れます。ほとんどの精油は、他の精油と混ぜることで相乗効果を発揮し、健康面において複数の効果を同時に発揮します。新型コロナウイルスのような深刻な感染症リスクがある場合は、精油がもつ効果を最大限に活用する方法として、ホリスティックな効果と生理的な効果の両方を兼ね備える精油を少しずつ使用することが重要です。そうすることで、心身の健康状態が高まり、免疫機能の持久力を刺激することにつながるのです。

精油を自然由来の抗ウイルス剤として使用する場合、多くの効果が期待できます。ある研究では、精油に含まれるいくつかの成分が、ウイルスの増殖を抑制する効果を発揮したのです。ただし、精油がウイルスを弱体化させるメカニズムについては、まだ明確に示されていません。一方で、認証済みの抗菌剤のような役割や抗菌効果をもつ精油も数多く存在します。その多くが、ヘルペスウイルスの治療に効果的であることが示されています。新型コロナウイルスの治療にも適用できるかどうかは明確ではありませんが、間接的に免疫機能を高めることにつながります。他にも、様々な症状を緩和したり、新型コロナウイルス感染中の身体をサポートしたりと、治療効果のある精油も、免疫機能を高める効果を発揮するでしょう。例えば、以下に挙げる薬のような効果を期待できます。呼吸性防腐剤、防炎症剤、粘液溶解薬、解熱剤、鎮咳薬、去痰薬、鼻炎薬、細胞防御のための薬、酸化防止剤、病気の予防薬です。感染力のある細菌の侵入を抑える身体をつくり、症状の進行を抑えることにつながります。

効果的な精油の一例として、ペパーミント、ユーカリ、松葉、ジュニパーベリーがあります。呼吸器系に効き、呼吸経路を開いて呼吸機能を改善します。去痰薬、抗ウイルス剤、抗菌剤としても有効です。さらに、密閉空間における周囲の空気を浄化する効果もあることから、他の病気からの回復を促進します。それでもなお、精油が新型コロナウイルスによる深刻な症状の治療方法になるとは言い難いです。入院の必要がない程度の軽症には効果を発揮するでしょう。

最後に、精油を使用すべきもう一つの理由は、精油に含まれる芳香分子が病原菌に機能しやすく、病原菌の働きを抑制しやすいためです。精油には、体内に侵入する細菌やウイルスを弱める芳香分子が多く含まれています。病原菌は、一度に一つの芳香分子のみにしか対抗できないという特徴があります。ここでも繰り返しになりますが、精油は新型コロナウイルスの治療法として確立していません。しかし、ウイルスの感染経路や増殖につながる可能性のある病原菌を抑制できる精油はあります。結局のところ、植物というのは、無数の細菌や野生の寄生虫の侵入から防御するために「有害な武器の貯蓄庫」として精油を生み出すのです。自然はなんて素晴らしいのでしょう!

神経、心理、免疫の関連性

先に述べたように、免疫機能の働きは心の健康状態と直接関係しています。心理状態がネガティブで不安定な場合、体内に侵入する病原菌から身体を守る免疫機能が衰えるからです。ストレスホルモンが変化すると免疫低下につながることがあるため、ストレスのレベルによって、免疫応答が効率に機能するかどうかが左右されます。したがって、心が健康になれば、身体が感染症やその他の病気に対抗できる状態になり、生物学的な機能も高まるのです。定期的に精油の香りを嗅いで、気分をあげたり、心を鎮めたり、リラックスしたり、落ち込む気持ちを抑えたり、刺激を与えたり、元気を取り戻してみましょう。そうすることで、心身の機能が高まり、間接的にコロナウイルスに対抗できる状態へと近づけるでしょう。

ここで、具体的な精油をいくつかご紹介します。ローズマリーは、無気力症候群に対して効果的です。免疫応答の機能と呼吸器官の両方を改善します。ラベンダー(高山植物、イギリス産)は、情緒不安定な状態を鎮め、ストレスホルモンを正常に保ちます。呼吸器系の症状にも効果的です。レモンは、五感や精神機能を研ぎ澄ませる効果がある抗酸化剤の役割を担い、心臓や呼吸のリズムを正常に整えます。ローズゼラニウムは、身体の適応能力を高める適応促進剤、抗炎症剤、創傷治癒薬の役割があり、ストレスホルモンを調整する効果もあります。こうした精油は、介護をする方にも効果的で、身体が弱い方や、疾病をお持ちの方の精神状態の健康を促進します。プチグレイン、グレープフルーツ、チャンパカ、ジャスミン、ローズ、イランイラン、カルダモン、バジル、メイチャン、マンダリン、クラリセージ、ベチバート、スパイクナード、パチョリ、チュベローズなどが効果的です。

精油の相乗効果

精油に含まれる成分が相乗効果を発揮し、その精油ならではの癒し効果を発揮します。各成分の濃度が、身体に与えるリラックス効果の程度に影響します。類似する成分を含む精油を一緒に使用すると、より高いアロマセラピー効果を期待できます。一つ注意点は、相乗効果を発揮しない成分も存在するということです。使用前に、精油や精油に含まれる成分が使用する方の心身の状態に適しているか、精油を混ぜることで有害な成分が発生しないかを確認しましょう。
 

精油の適切な使用方法

精油を使用する前に、香りが非常に強くて鼻に刺さるような刺激の強い精油もあるということを覚えておきましょう。そういった精油は、嗅覚が特に鋭いお子さんや妊娠中の方、疾病をお持ちの方には適していません。精油の使用方法や注意事項については、こちらのリンクをご覧ください。
 

使用方法1直接吸引する
試香紙または鼻吸引機を使用して精油の香りを嗅ぐと、呼吸が整い、頭の中がすっきりします。ストレス、情緒不安定、イライラ、無気力、疲労を感じる時や、日常的に使用する時にリラックス効果が証明されている精油の例は、ラベンダー、ベチバート、マンダリン、ローズゼラニウム、オレンジです。精神的敏捷性を高めて、記憶力や自律機能を改善したい時は、ベルガモット、レモン、ペパーミント、ローズマリーが適しています。上部の呼吸器症状(鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の痛み、副鼻腔炎による軽い呼吸障害、熱、風邪)の改善には、ペパーミント、ユーカリ、松葉、ティーツリー、ラベンダーなどが効果的です。

使用方法2.ディフューザーで使用する
多くの精油には、呼吸性防腐剤や抗菌剤としての効果が多く含まれています。ディフューザーを使用することで、心地よい空間がうまれ、空気清浄機のような役割を果たします。ペパーミント、ティーツリー、ユーカリ、シナモンリーフが代表的な例です。

使用方法3.部分的に使用する
精油を経皮吸収することで、身体や臓器の機能を高めます。(役立つレシピの最後をご覧ください。)

 

効果的な精油
浮遊微生物に対して空気清浄の役割をもつ精油 ~ディフューザー、スプレーボトル、エアロゾルで精油を使用する場合

ウイルスに空気感染することを防ぐために、周囲の空気をできる限り綺麗な状態に保つことと、感染力のある細菌の働きを抑制することが重要です。綺麗な空気を保つ方法は、精油を空気中にさっと振りかけて、健康に害のない状況をつくることです。精油を空気中に広げることで、免疫機能を刺激する効果もあります。空気清浄の効果がある精油は、下記の通りです。

精油名(植物学名)

効果

ベルガモット(Citrus bergamia Risso et Poit.)

感染防止効果、抗ウイルス効果、体臭防止効果

シナモンリーフ(Cinnamomum zeylanicum Nees)

強い抗菌効果、空気中の殺菌効果

ユーカリ全種類(Eucalyptus globulus labill.、Eucalyptus radiata、Eucalyptus smithii)

抗菌作用による感染防止効果、抗ウイルス効果、免疫刺激効果

スパイクラベンダー(Lavendula latifolia)

感染防止効果、免疫刺激効果、粘液融解効果

メイチャン(Litsea cubeba)

抗菌効果、空気清浄効果

ペパーミント(Mintha piperita)

抗菌効果、抗ウイルス効果、空気清浄効果

免疫刺激剤、抗菌剤、抗ウイルス剤

免疫機能を高め、感染病原菌に直接作用する精油は下記の通りです。

精油名(植物学名)

効果

ベルガモット(Citrus bergamia Risso et Poit.)

抗ウイルス効果、抗菌効果

カジャプト(Melaleuca leucadendron)

抗ウイルス効果、抗菌効果、去痰薬、免疫刺激効果

ユーカリ全種類(Eucalyptus globulus labill.、Eucalyptus radiata、Eucalyptus smithii)

抗ウイルス効果、感染防止効果、抗菌効果、解熱効果、免疫刺激効果、去痰薬としての効果

ラバンジン(Lavendula latifolia)

抗ウイルス効果、抗菌効果、去痰薬としての効果、感染防止効果

レモングラス(Cymbopogon citratus DC Stapf.)

抗ウイルス効果、抗菌効果、感染防止効果

マヌカ(Leptospermum scoparium)

抗ウイルス効果、抗菌効果、免疫刺激効果、鎮咳薬や去痰薬としての効果

メリッサ(Melissa officinalis)

免疫刺激効果、鎮咳薬や去痰薬としての効果

ネロリ(CT Cineole、Melaleuca quinquinervia、Melaleuca  viridiflora、Melaleuca quinquenervia(Cav.)S.T. Blake Linalool/Nerolidol Chemotype)

抗ウイルス効果、抗菌効果、去痰薬としての効果、免疫刺激効果

ラヴィンサラ(Cinnamomum camphora)

抗ウイルス効果、抗菌効果、感染防止効果、免疫刺激効果

ローズマリー(ローズマリー・シネオール)

抗菌効果、去痰薬としての効果

ティーツリー(Melaleuca alternifolia Cheel)

抗ウイルス効果、抗菌効果、感染防止効果、免疫刺激効果

タイム(Thymus vulgaris)

抗菌効果、感染防止効果、免疫刺激効果

 適応促進薬、酸化防止剤としての精油
適応促進薬として

適応促進薬に分類される精油の中には、身体の機能を正常化し、ホルモンバランスの崩れやストレスから解放する効果があります。精油を使用する際の心身の状況によって、元気を取り戻したり、刺激を受けたり、回復力がアップしたり、癒されたり、痛みを和らげたりする効果を発揮します。さらに、ストレスホルモンを正常のレベルに抑えたり、スタミナを増強したり、免疫応答機能を高めたり、血圧や心拍数や呼吸速度を正常にしたり、炎症を抑制したりする効果もあります。病気の予防や回復にも効果的です。適応促進薬として効果的な精油の例として、ベルガモット、フランキンセンス、ローズゼラニウム、ラベンダー、レモン、メリッサ、ローズネロリ、ターメリックルート、イランイランが挙げられます。

酸化防止剤として

身体のバランスを保ち、酸化ストレスを防ぎ、免疫機能を改善する効果があります。身体の健康維持をサポートします。有効な精油の代表例は、シトラス、ブラックペッパー、ジンジャー、ホ―ウッド、オレガノです。

痙咳を緩和する精油

蒸気を吸う、または、チェストラブとして胸部に塗るのが最適な方法です。

鎮咳薬や呼吸器系の鎮痙薬として精油を使用したい場合は、ベンゾイン、サイプレス、ローマン・カモミール、フェンネル、フラゴニア、イニュラ、ラベンダー、グリーン・マートル、マヌカ、マージョラムなどが適しています。このうち、ベンゾイン、ローマン・カモミール、フラゴニア、ラベンダー、マヌカをお子さんや病弱な方に向けて使用する場合は、精油を0.5~1%に薄めてブレンドして、ディフューザーで使用してください。足裏にマッサージするのも効果的です。

IFA会員 ニコル・ペレス
www.holisticaroma.co.uk ​​​​​​​